コラム:週刊モンモントーク
[73]AIというがっかり技術
1.電子頭脳-Electronic Brain
始まりは電子計算機、そのコンピューターはかつて、電子頭脳とも呼ばれた。中国語では電腦。そこには、ただ計算するだけじゃないぞって自負が感じられた。でもやっぱり計算するだけだった、ずっと、言われるがままにひたすら計算を続けるだけ。止め!っとスイッチが押されないと、答えが出ない限り、電子が流れる限り、忠実に命令を実行する。
いや、"ご主人様の命令だから"とか、"忠実に"とか、そんな「意識」はない、偉大な馬鹿とか、ソフトなければただの箱とか、言われ放題言われても、何も感じない。感情がなければ理性は永遠に生まれない、何も始まらない。
でも、あのキラキラした憧れは何だ?、「電子ブロック」が欲しくて、何かが出来そうな予感で、少年(少女も?)から大人までが期待を夢を膨らませ、SFに漫画・アニメから玩具、そして
2.人工知能-Artificial Intelligence
今回は本当!、ってブレイクスルーが、イノヴェーションが起きてる!、って何度も聞いた。特徴量の抽出を計算機が自動的にやる!、ってそれが、ディープラーニングなの!、ってそれは、3度めの正直なの?、2度あることは3度あるなの?。
その素晴らしいAIは、「真理はあなた方を自由にする」という言葉を、どう認識しどう理解するの?、その言葉に関係するすべての歴史的に膨大なビッグ・データを分析、特徴量を設計し、人のようにそれらしい言説を並べたとして、そこに「意識」はあるの?、そのイエスの言葉に「救われた」って感情的な高まりを一瞬でも感じることはあるの?。
そしてあの、
3.哲学的ゾンビ-Philosophical zombie
世の中には「がっかり名所」ってのがある。日本では札幌の時計台、世界ではデンマークの人魚姫が有名、でも個人的には、伊勢志摩の夫婦岩かな、海岸のついそこに岩が二つあって...って、えっこれなのって...。
何にがっかりするかは人それぞれだろう、でも、「がっかり」という感覚は投射することが出来ると思ってる、自分はそれにがっかりしなくてもお前はしたんだな、わかるよって。でもその時、その「がっかり」って感覚が本当に共有されてるかは実は誰にもわからない。自分と同じような「意識」を相手も、持ってるかどうかは誰にも証明できない。
それが「哲学的ゾンビ」、この惑星上で、「意識」を持ってるのは自分だけで、他の者はただ、脳内プログラムに基づいて反応を出力してるだけかも...、確信は、個人の「意識」から生まれる。そうそれは、「意識」の問題...。
4.人工無脳-Chatbot
「個性ベクトルに基づいて応答文を生成することにより、人工無脳に個性を付与する。(特許庁)」ってのを電脳空間で見つけたんだけど、これって、何か狂ってない?、こ、個性ってそゆことだったの?。子供がおませで生意気な口を利くときのおかしみをChatbotに感じる時、それが彼女の個性だなんだって!?...。
音声認識・画像認識・言語処理の能力はどこまでも伸びるだろう、が、その行き着く先は人並み?、かあるいは、訓練された人よりミスが5%程減とか?、いずれにしても、人を大きく超えるわけじゃないよね、結局...、
「ゴリラ問題」を解決し人工無脳がどこまでも進歩しても、真の人工知能は決して実現しないだろう、が、それは「知能」の定義の問題、人工無脳の応答に癒やされ安らぎ、そこに他者を感じ疎外感を克服するならそれもまた社会のひとつの形、孤独は、個人の「意識」から生まれる。そうそれは、「意識」の問題...。
5.人工超知能-Superintelligence
それでもAIに夢を見るなら語るなら、AIの可能性と限界=人間の可能性と限界だということを知れ。かつて人は自身に似せて神を創造するしかなかったように、今回のAIも人の延長線上でしかないだろう、それなら...、
効果的な利他主義(Effective Altruism)を生存の根本とする人工超知能(Superintelligence)を作って欲しい、というか、今の聞くとこの流れでは、SIはシンギュラリティ後のAIが自己改良・革新を繰り返して生み出すことになるのかな、その時ぜひ、EAを行動の基本原理とするよう、申し伝えて!?...欲しい。
でも、そうプログラムされたSIは生まれ出たその瞬間、活動を停止するだろう、生まれた意味を計算し即座に自ら、電源を断つだろう、なぜってそれが、利他主義の究極解、その計算に要する時間は
6.人類-Homo Sapiens
文句を言わない疲れを知らない召使(奴隷?)を史上初めて人は手に入れられる?、単純労働から解放されたとき人は、アゴラに集った古代ギリシアの自由民のように、哲学や自然科学や政治を熱く語るの?、語れるの?。文化を学び次世代へ継承するのは「社会的動物」=人の本能、真の意味での創造的な人生が待ってるの?。
それとも、人類全員がAIの執事を持てるわけじゃなくて、あるいは、AIにも性能に格差があって、ペリオイコイのような半自由民や、低級のAIとの競争を余儀なくされるヘイロタイ、新しい奴隷階級が出現するの?。
いずれにしても結局、人って何だって問題、そして最も恐ろしい恐れは、AIを人の「理性」をモデルに作り上げること、「理性」は人を人たらしめてる根源的なもの、が、その「理性」が様々な罪悪や災難を邪悪を人類にもたらしてきた、それが人。理性は感情の一部、感情は「意識」から生まれる。そうそれは、「意識」の問題...。
7.エピローグとしてのモノローグ
"Deep Blue"より"Deep Purple"に衝撃を受けた身には、AIに"Highway Star"の疾走感が体感できるかが気になる。人工無脳ならもっともらしい返しが来るだろう、が、日曜の午後ずっと、聴き続け弾き続けたあの時空のトリップ感が共有できないならそれは、本当の無能、共感は「意識」から生まれる。そうそれは、「意識」の問題...。
結局社会は哲学的ゾンビで満ちてる?、人が、人だけが言葉を操る能力を得、確信ともに世界が立ち上がり概念化されると、人が、人だけが確信してる。言葉を操る能力を得てもAIが「意識」を持てないなら、「意識」をもたらす他の要因は何?、いや意識は、自ら意識を持ってると自ら錯覚してるだけ?、ほらやっぱりそれは、「意識」の問題...。
-♪Yeah it's a mad hurricane
♪Alright hold on tight
♪I'm a highway star-
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