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コラム:週刊モンモントーク

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[14] 想像と空想と妄想と−創造力の源泉−

1.「想像力」豊か ← 素晴らしい!
人は、現実を吟味し、分析し、把握する、意識的にも無意識的にも。そして常に、目の前の出来事を意味づけながら、考え、判断し、行動する。というか、そうしないと何の行動も起こせない。想像力、それは、人工知能の「フレーム問題」にもつながるのだが、人のその現実把握の仕方そのものもまだ、解明されてはいない。

が、「想像力が豊か」には、何とも言えない「知性」の響きがある。進行中の現在への、過ぎ去った過去への、やがて来たる未来への、洞察力の深さがある。そう、その「深いね」と言った時の感じ。「想像力をもっと働かせなきゃ」と言った時の想い。文化や価値観を背景に、豊かな感受性のもと、鋭い直観で本質を見抜く力。

「想像力」とは現実に根ざし、現実を吟味分析の上、現在・過去・未来を現実的に見通し、目前の事実を踏まえ、既知を意味づけ、未知を予想する力。それは、現実の延長線上にある確かな現実を考え抜く力、「知」の力。

2.「空想力」豊か ← いいね!
人は、現実を吟味し、分析し、把握する、意識的にも無意識的にも。そして時には、そんな現実に意味が見い出せなくなり、現実を超越し意識が流れ出る。というか、そうでもしないと再び現実に立ち向かえない。空想力、それは、現実とは何か、という根本問題を突きつけるのだが、普遍的真理に至ることはなく、知の迷路に迷い込む。

が、「空想力が豊か」には、何とも言えない「感性」の響きがある。現実では、あり得ない現在への、あり得なかった過去への、起こりそうにないが起こったらいいな的な未来への、感受性の豊かさがある。そう、その「希望」にもつながる「生きるって素晴らしい」と感じる時の想い。既成概念から自由な思考のもと、芸術をも生み出す力。

「空想力」とは、現実に根ざした「想像力」を越えて飛翔し、現在・過去・未来という直線的な時間軸から自由になった、パラレルワールドを想い描く力。それは、現実離れしているようでその実、現実の本質を射抜く力、「情」の力。

3.「妄想力」豊か ← ええっ!?
人は、現実を吟味し、分析し、把握する、意識的にも無意識的にも。そして遂に、そんな現実が嫌になり、逃げ出したくなる、現実逃避。というか、そうすることで現実をぶち壊そうとする。妄想力、それは、人が人である証でもあるのだが、自分自身という現実が壊れるだけで、結局それ以外の現実は変わらない。

が、「妄想力が豊か」には、何とも言えない「意思」の響きがある。現実に戻れなくなる恐怖感が、「逃避」と認識させ、現実感を求めて彷徨う。妄想が妄想を呼ぶほど、理性は、自己崩壊の危機を感じる。そう、その「極限」を垣間見、「やばい」と感じる想い。現実に引き戻す理性のもと、感性を磨き、知性の更なる深化を促す力。

「妄想力」とは、想像も空想も越えて暴れだし、時間軸も空間の広がりも無視して、あらゆるものから自由になった究極の考える力。それは、下位概念「空想力」と「想像力」を更に豊かにしていく力、「意」の力。

4.「創造力」の源泉
想像と空想と妄想を分かつもの、それは、現実からの離れ具合、社会の、時代の流れからの逸脱具合。逸脱が大きいほど、ユニークさが増し個性的になる、そして、最後には誰にも理解されなくなる。時代より1歩先んずる人は、独創性豊かの称賛を得るが、2歩先んずると理解されづらくなり、3歩だと狂気を疑われる。

「創造」は、現実に根ざした「想像力」から、想像力に裏づけられた「空想力」から、空想力に支えられた「妄想力」から、一種の閃きによって生まれる。が、その閃きを理性によって吟味するのを忘れるな、社会に、時代に受け入れられる余地はあるのか?。バランスのとれた「知情意」、「1%のひらめきと99%の努力」とはそういうこと。

創造力の源泉は、その考えに考え抜く姿勢にある。タブーを解き放ち、思考のリミッターを外せるか?。そして意識的に、理性でそれを制御するんだ。「スイッチを入れろ!」、理性はまだまだ健在で有能。

5.「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
人が人である証、それは、想像し空想し妄想し、そして、新たな創造を生み出せること。豊かな想像力を働かせ、他者との間に深い共感を築けること。壮大な空想力を駆使し、他者と協力して理想を追求できること。ちょっと危険な妄想でさえやがては、科学技術と「Deep Learning」? により空想や想像にしてしまえること。

人が人である証、それは、想像し空想し妄想し創造し、そして、新たな価値を生み出せること。それが、人である証。人が人である意味を、そして、自らの生きる意味を、搭載されたスーパーコンピューターで計算し、アンドロイドの彼はひと筋の涙を流した。はたして彼は、電気羊の夢を見たのだろうか?。

6.エピローグとしてのモノローグ
かつて「貧困なる精神」という著作が一世を風靡したことがある。感受性の欠如、共感力の欠如、想像力の欠如、そうした精神性がもたらす社会に警鐘を鳴らしていた。では、想像してみよう、素敵な未来をー

人々が生き生きと暮らす調和のとれた社会?、科学技術の進歩が人類の発展に寄与する社会?、自由と平等が均衡をもって実現された社会?、誰もが個性を持ち自己実現を目指している社会?、環境問題が解決され持続可能な開発が可能となった社会?、それぞれの異文化が個性を保ち共生する社会?...?。

う〜ん!?、想像力の、空想力の、妄想力も?、すべて欠如っ!。我が貧困なる精神、ここに極めリ、如何ともし難い。これって、もしかして、妄想力をもっと磨けってこと!? ← ええっ!?。





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