作文・小論文−入学・編入試験対策、さらに超えてその先へ

コラム:週刊モンモントーク

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[3] 問題意識を持ち批判的に考察する

1.現代社会は問題で満ちている

現代社会は問題で満ちている。なぜ?。感じ方、考え方が違うからだ。なぜ?。価値観が違うからだ。価値観とは何だ?。それは、ある状況に遭遇した時の、その人の感じ方、考え方だ。うん、説明になっていない。人が二人いれば、価値観の相違が生まれる。誰かが言った−"♪Imagine〜"と歌ったレノン、あのビートルズの4人でさえ対立した。

ただ、少なくとも、価値観のほぼ同じ集団は存在する。「類は友を呼ぶ」の友人関係から家族、コミュニティー、民族、国家の括りまで、各段階に渡ってシームレスに存在する。「地球市民」を夢想する人もいるが、最も大きな集団は、民族、そして、国家だろう。それを文化と呼ぶ。だから、異文化理解、異文化交流という概念が成立する。

そして、単一の価値観にどっぷり浸かって成長し、生活していると、感じ方、考え方に多様性があることに気づけない。いや、「多文化社会」に暮らしていても気づかない人は気づかない。自分の価値観が絶対だと思い込む。

2.方法的懐疑

よって、たとえ、何かがおかしいとか変だとか感じなくても、「これって、間違ってるんじゃないの?」とわざと疑ってかかることが必要な時がある。デカルトの「方法的懐疑」だ。批判的考察とは、やたらめったら他人を疑って批判することじゃない。物事をわざと疑って、考察の土台を一段上げようということ、「我思う、ゆえに、我あり」だ。

世界は問題に満ちており、絶え間なく議論が行われている。議論ならまだまし、この瞬間も人が逝く、「価値観の違い」が原因で。自分の、自分たちの考えが「真理」だと「正しい」と、それを疑ってかかることは難しい。なぜ?、それが「価値観」だから。すぐに捨てられ、変えられるものは、「価値観」や「文化」じゃない。

究極の客観的な「真理」、つまり、「普遍的な価値観」はない、と現代思想は述べている。どこかで、私達が発見するのを待っている「本当」はないと。科学技術の成果でさえ、お互いの了解の上に成り立っているに過ぎないと。

3. ふとしたこと、おやっと感じたことを見逃すな

しかし、やたらめったら疑って、「どうせ〜なんだから」と、何でもありになるのは鼻持ちならない。それが「懐疑論」だ。そこから、新しいものは何も生まれない。少なくとも、自分自身の問題意識に基づいた問題提示が必要で、それを生み出すのが感受性。「おやっ!?」と感じたことに反応し形にし意味を探る力、それが、豊かな感受性。

ただ、すべての引っ掛かりに拘ることは不可能だ。日常生活に支障をきたす。だから、「スイッチを入れる」。定まった視点から世界を眺め、「う〜ん、これは!?」と感じたことは、徹底的に突き詰め考え抜く。自分自身の価値観から生まれる世界の見え方の提示。それが、地についた議論となる。

座標軸」を定めよ。そこから見える個人や社会や世界のあり方は、少なくとも、現時点での自分自身の「真理」。より普遍性を持たせるために、思考の「スイッチを入れ」、文字に書き、議論をする。 

4.「考えろ!、考えろ!、考えろ!」ー「スイッチを入れろ!」

感受性が微かに発する警告音と警告灯を見逃すな。何かが引っかかったその心を見つめ、その音と光の源を探れ。少なくとも、その違和感を温めろ。現代人は皆、日々のルーティーンに忙しい。その違和感はすぐにどこかへと去り、いつもの日常の騒音と光の洪水に心は飲み込まれていくからだ。その前に「スイッチを入れる」んだ。

自分自身のよって立つ「価値観」を常に問い、考察のための基礎、視点に磨きをかけろ。視点が定まれば、意見は自ずと生まれるように人はできている。つまり、「座標軸」を定めよ、だ。価値観がピッタリ合うことはありえない、たとえ、家族でも、双子でも、同じ文化の中でも。人の争いの種は、人間性の中にビルトインされている。

だから、よりよい生を生きるため、自分の心が、「これは!?」と訴えてきたものを、徹底的に考えるんだ。そして、本を読み、調べ、議論する。そこから、判断力が、決断力が、そして、実行力が生まれる。






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