作文・小論文−入学・編入試験対策、さらに超えてその先へ

コラム:週刊モンモントーク

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[31] イノベーションの破壊力

1.イノベーションの本質−創造的破壊
かつて、高度経済成長(前世紀60年代前後)の頃、四大工業地帯、太平洋ベルトが工業の中心で、製造業による加工貿易が産業構造の基本だった時、"innovation"は「技術革新」と訳され大きな意味を持った。が、80年代以降、その「技術」による成功体験が、袋小路、ガラパゴス化を招いている。今世紀にかけての日本の停滞の要因。

今でこそ、"innovation"は「革新、刷新、新機軸」と訳される、でも、どうもこなれず結局、「イノベーション」となってる。そう、「技術革新」は、"innovation"の一部でしかなかったことにやっと気づいた。イノベーションの本質は、旧価値の破壊、そして、新価値の創造、想像から創造へ、創造的破壊、それは、パラダイム転換をもたらすもの。 

破壊的イノベーションの末の、全く新しい価値の出現、それは、価値観そのものに大変革を強いる、そう、価値の創造とは文化の創造、全く新しい世界の見方、世界観、価値観、文化、「普遍的」な何かを人は、やはり求めてる。 

2.21世紀型スキルの本質−批判的思考
だから、今世紀を生き抜くスキルとは、批判的に考察し、想像し空想し、問題を提示し、解決の方法を柔軟に提案する力、「ブルーオーシャン」を航海する力、「デザイン思考」、そう、考える力。情報リテラシーやコミュ力、人としての思いやりや優しさは、その後からついて来るもの。21世紀は17世紀2.0、「大競争時代」の到来。

理不尽なこと、不合理なこと、納得のいかないこと、必ずある。その時どうする?。自分の位置、力、状況、考えられることすべてを考慮に入れ現実的に判断、決断、行動する、あるいは、しない。変えねばならないこと、そこに、改革の手掛かり、新しい価値を作り出すきっかけがある。批判的思考、それが、イノベーションを生み出すもの。

疑問が出るのは、改良の改革の革新の余地があるってこと、何かに疑問を感じ怒りを感じた時、反抗すべき先はそこでいいの?、違うの?。疑問のない世界を想像してごらん、それって、素敵な世界?。

3.「イデオロギーの終焉」−偶像破壊−
「正しい」ことは刻々と変わる、それがポストモダン、「重厚長大」から「軽薄短小」がもてはやされ、再度、宇宙開発プロジェクト等、「重厚長遠大」とも言えるものへ、すべての概念を飲み込んで、新しい価値が生み出される。その時、それって面白い?、かっこいい?、役立つ?、売れる?、スゴい?、と問われる、新しい「功利主義」の時代

だから、ただ信じるな。何かを信じるのは「感情」、本来、定義上、何かを信じる「理性」は、形容矛盾、でも、求め信じてしまう、各々の「真実」、イデオロギーを。ほらね、「理性」は「感情」の一形態、もちろん、「理性」は素晴らしい、人を特徴づけるもの、しかし、信じてはならない。偶像破壊、それは、何も信じないという信念を信じるもの。

偶像崇拝を禁ずる宗教の真意は、たぶん、これ、まがい物を「感情」によって信じるなって、「真理」のみを追い求めよと。ほら、宗教とイデオロギーは双子の兄弟、魔性の姉妹、「神」は「理性」が生み出した、ほら、信じてはならない。

4.21世紀型個性の本質−創造的想像−
芸術的個性やスポーツ的個性、素晴らしい、何万人、何十万人に、あるいは、全人類に一人の才能、そうそれは、個性ではなく才能。だから、個性豊かな教育という時、あの子は絵が上手とか、この子はかけっこが得意、なんて視点は、何も考えていない無個性な教育者の寝言、本当は個性なんて重視しない、邪魔になるだけの社会での戯れ言。

普通の人が普通の社会を生き抜く個性って、人が持つ特性、特徴、誰もが持つ人が人であるものに磨きを掛け形となった、その社会を生き抜くために重要な何か。一度きりの様々な経験を意味づけ概念化し考え悩み、さらにその想いを新たな経験によって裏づけ、自分らしさが育まれる、創造的想像・空想・妄想、それが、個性を光らせるもの。

個性の獲得って言語と似てる。人なら必ず習得でき、文化に影響され、学習が不可欠で、周りの人とほぼ同じだが微妙に異なり、一度身に付けると、新しいものの習得は至難の技。個性が現実を個性的に具現化する。

5.「存在の耐えられない軽さ」−意味の喪失−
そう、個性豊かってそれ、経験が自己の世界観の中で体系的に意味づけられ現実感を持って迫ってくる、というか、人はそうやって現実を把握する。豊穣なる人生、そう、大長編物語の主人公を演じきる、その豊かな世界観に魅せられる。人生の意味ってそれ、誰も与えてくれない、どこにも転がっていない、自分のための自分による自分の創造。

本来、生物の生に意味がないと言えば意味はない。人だけが意味を価値を求める、それが人間性、何のためにと問い続け、考え悩み、自分の足で大地に立つ。「依存から自立へ、相互依存へ」、そう、文化の形成、意味づけされた総体としての価値観の形成。真逆が、意味の喪失、それが、「存在の耐えられない軽さ」をもたらすもの。

人生の意味に年齢や貧富は本来無関係、代表はイエス、十字架上での「死」という一点に収斂するかのごとく、すべての行動や言動を意味づけ、30年余りを駆け抜け、新たな価値を創造、二千年後の今日まで影響を与えている...。

♪My Love Innovation〜





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