コラム:週刊モンモントーク
[54] 「意味」の意味
1.「言葉」の意味
何をトチぐるったか、ちょっと調子に乗って、
でも、音声言語の正体はただの空気の振動、それを"音"と脳が認識するだけ、大きな振動はデカい音に、素早い振動は高い音に"聞こえる"だけ、聴覚器がなければ誰にも何も聞こえない。自然界に元々あった性質を情報伝達の手段に出来た種が繁栄する。「言葉」に意味があるんじゃない、空気の振動に「意味」を付与するんだ、生きるために。
2.「世界」の意味
これに何の意味があるの?、って感じたとき人は、セカイ系の図式に嵌ってる、そこにあるのは過剰な自意識と劣等感、世界の中での自分の存在の意味を考え悩む。知ってか知らずかそれは、世界って何?、という壮大な問い。
でも、ある世界に生まれるって事自体が本来は説明できないこと、生まれちゃった、としか言いようのない、意味のない現象。それを実存(現実存在)と呼ぶ、つまり、自分の存在の意味は、その本質は、生まれい出たこの世界の中で自分で創造しろってこと。世界の終わりが来ようと最後の審判で意味が与えられることはないってこと。
世界の正体は素粒子の、あるいは
3.「体験」の意味
人は様々な経験を積み、経験から学び成長するという、けど、それって本当はどういう意味?、それは人それぞれに様々な体験があるってこと?、自由意志があるってこと?、経験に意味を求めるのは、自由に伴う必然の帰結?。
この世には神も仏もいないのか、と嘆く時人は、直観的に真理を突いてる。そう、現実世界には神も仏も存在しない、が、誰もが自分の精神世界を持つ、それは体験の集大成、時にそこで、神や仏や大いなる何かを概念化する。無神論者でさえ、生きる拠り所とする何か、精神的な何かがあるはず、でないと人は、その虚無に耐えられない。
肉体の正体も物理学的には「世界」に同上、これが延長実体、体験は自分一人だけが持つ精神的な何か、これが
4.「意味」の意味
だから、意味って何?、って聞くこと自体に意味はない、意味って何?、って聞くこと自体がその答え。何かその聞かずにはいられない何かの先にあるものを「意味」と概念づけた、すべての民族が神話を持つ理由。
神話なんて笑止千万って言う人も、何らかの物語の中を生きてる、
だからって、懐疑論やニヒリズムに陥ることはない、確かにそれも論理的帰結、でも、だから自暴自棄になるって論理展開になるのは"神話"を信じてる証拠。意味なんかないよ、って言ってみたところで、今日も生き抜かなきゃいけないことに変わりない。「意味」に意味があるんじゃない、意味を創造し「意味」を付与するんだ、生きるために。
5.「『意味』の意味」の意味
「『〈意味〉の意味』の意味」の意味...と、どこまでも続く、トチぐるってないよ、真面目な論理的帰結、つまり、「意味」に元々意味はないってこと、でしょ!?。「意味」だけじゃない、あらゆるものに元々意味はないってこと、なんだ。
でもいつだって人は、心から意味を求めてる存在なんだ。これまでもそうだったし、これからもずっと...。汝、言葉に、世界に、体験に、人生に、意味に、意味のないことを嘆くなかれ、意味を求める心を失ったことこそ嘆くべき。
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