コラム:週刊モンモントーク
[70]「譲歩段落」の破壊力
1.そこで、譲歩せよ!
譲歩せよ、そして再度ブチかませ!。譲歩は反撃への布石、相手の物語と自分の物語の接点を探り、自分の物語に引きずり込め。「もちろん、(想定反論)。しかし、〜」が基本形。「もちろん」で、相手を思いっ切り引きつけて引きつけて、ヤラれるって瞬間、「(だが、)しか〜し」と切り返せ。相手の懐に飛び込んだ瞬間の眼光鋭く見切っての反撃。
その一瞬の隙を見逃すな、「しかし」、で相手が怯んだら怯ませたら、一気に再び畳み掛けろ、相手の力を利用しての反転攻勢、相手の物語を自分の物語で包み込め。より大きなパラダイムを示すんだ、グーの音も出ないような、ギャフンと言わせるような、目から鱗が落ちるような、心底、ホエ〜と感心するような...。
譲歩とは
2.まずは、畳み掛けよ!
だが譲歩の前に、連弾の先制攻撃を忘れるな!。主張を支える強力な根拠を提示しろ、攻撃は最大の防御とはこのことだ、くれぐれも最初から「もちろん」なんて分かったように始めるな、そんなフニャフニャ議論、すぐに付け込まれるぞ。一般論で土台を用意し、主張を述べたら即ブチかませ!、譲歩するにはまだ早すぎる。
少なくとも二つ、知識や経験に裏づけされた自分の根拠を整然と立論せよ、表現に緩急をつけ盛り上げ、キーワード、キーフレーズを的確に配置、やり過ぎたか!?、言い過ぎたか!?、って瞬間が勝負!、そ・こ・で、譲歩!、主導権を握るんだ。相手の心の中に説得されつつあるという反発が芽生えた瞬間、「もちろん」、と切り返す。
畳み掛けてこその譲歩、主張が明確で、その根拠・サポートに説得力がある程、あればある程、やや言い過ぎることで、「ナルホド、でも...」、と反感が生まれる、その刹那の「もちろん」、が効く、畳み掛けてこその譲歩の破壊力。
3.
心地よいってどゆこと、んな状態?、意見が合うってどゆこと、んな状態?、説得されるってどゆこと、んな状態?、価値観の、世界観の一致ってどゆこと、んな状態?、シンクロ率400%ってどゆこと、んな状態?、それってあり得る?。
それぞれの物語と物語が出会う所、必ず反発が生まれる、100%一致する価値観の持ち主はいないのだから。そして、その価値観云々は、実存的存在である人に特有の問題、つまり、人だけが後天的にグダグダ考えるってこと、って言うか、考えるってことは後天的にしか出来ないってこと、だから、「考える」が人を特徴づけ議論を始める。
真理は、新しい共通概念の上に、構成員の確信を持って新しく築かれる物語、それが、創造、パラダイム転換、イノベーション、コペルニクス的転回。どこかにある真理を見つけるんじゃない、どっちが正しいか決めるんじゃない、譲歩段落の意味は、新たな概念構築のための布石、新たな世界を立ち上がらせ、創造に繋げる礎。
4.そして、決めよ!
その後で最後に、キ・メ・ろ!。譲歩してこそ「決めフレ」が光る、「決め台詞」が印象に残る、「殺し文句」に昇天する、そこからの最終段落はクライマックスからの収束、カタストロフィーの内なる内破、絡め取られた熱い感情、理性は感情、ヤラれたという思い、一本取られたという意識、怒りは沸かず、嫉妬は場違い、誠実さだけが場を支配する。
そんな清浄な雰囲気の中で議論を立論をしてみたいと思わないか。新しい概念が生まれる瞬間に立ち会ってみたいと思わないか。ポジショントークじゃない柔軟な思考の中で思想を磨いてみたいと思わないか。感動は感情、理性を動かす源。「決めフレ」は理性を感情でコーティングしたキャチコピー、だから、直前の譲歩が、効・く。
譲歩とはただの譲歩じゃない、それは次への飛躍のバネ、譲歩とは交渉での落とし所を探る譲歩じゃない、それは一歩踏み出すための半歩の後退、それは、妄想を空想に、空想を想像に、想像を創造にし得る最高位の破壊力。
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