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コラム:週刊モンモントーク

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[71]「孤独であること」と「一人でいること」

1."A River Runs Through it"
映画の邦題は"そのまま"、「リバー・ランズ・スルー・イット」、原作の小説は「マクリーンの川」と付けられてるけど、その英語"そのまま"のカタカナ表記は何?、確かに「マクリーンの〜」じゃない、けど、「リバー」でも「ランズ」でも「スルー」でも「イット」でもない、でしょ、日本語として、その何かを的確に表現できない、何かって何?。

"そのまま"って書いたのは邦題に、"A"がないから、これ「ア」じゃなくて「エイ」って発音するんだろうね。"The River -"じゃなく、"There is a river running -"でもない、"A River -" じゃなきゃダメ。そして、"- flows -" じゃなくて、 "- runs -"で、 "- along -" じゃなくて 、"- through -"で、"- that" や "- me" じゃなくて 、"- it"、じゃなきゃダメ。

それが、「孤独であること」、「一人でいること」の意味、だから、普遍的な孤独、人だけが感じる切なさやるせなさって言い切っていいのかって思いの感情、そう、どこからともなく湧き上がってくる、そのまま、生のまま、じっと観察する。

2."So Much Water So Close To Home"
それは、最高の孤独それは、孤高であること、ひとつの象徴であり結晶、琥珀色に閉じ込められた孤独の結晶の物語、絶対的な孤独、至高の孤高、天理に届け。対して、相対的な孤独、本来、孤独と呼んで欲しくない孤独、それは...

人と人との関係の中で生まれる勘違いがもたらすもの、勘違いとは思い込み、集団での思い込みがその集団の真実、そして、その「真実」に疑問が芽生えた時、人は疎外感を感じ孤独に陥る、と思い込む。信じていたハズの物語の喪失、分かってくれない誰も私のことなんて、って嘆くだけの真の「孤独」からは程遠い甘え。

その「物語」を、意識的にも無意識的にも、ともに創造してきたことを、意識的にか無意識的にか棚に上げ、何の責任もないように自分だけが悲劇のヒーロー/イン。真の孤独とは、そのふと芽生えた疑問を離さず見つめその感情の正体を探ること、人間存在の深淵を覗きその感情は実存よりい出る必然の結果だと悟り、天を仰ぐこと。

3."♪River Flows In You"
相対的に生きるしかない現代社会では、絶対的な何かを持ち続けることは至難の業、未来を想い過去を概念化する「思考」という能力を手に入れて以来、逃れられない人の運命そして、その思考し新たな何かを創造するということは長らくタブーとされそれは、一部の特権階級のみが知る奥義として決して、解き放たれることはないハズだった...

現代社会の生き辛さの原因はすべてが相対的であること、人は、動物のひとつの種としてそんなふうにはできていない、考える必要のない絶対的な指針を求める、だから、こその禁忌の数々だった、が、「思考」により近代的自我を概念化しリミッターを取っ払った時現れ出た世界は、脳内妄想が次々と具現化するものだった。

だから時に人は、もはやないとは分かっていても絶対的な平穏を求めて、わざと脳の活動を止め、あるいは、わざとぐちゃぐちゃに脳をかき回す、前者が瞑想で後者が芸術、マインドフルネスを実践し音楽に涙する瞬間の至高の孤高。

4."♪Under The Milky Way"
しかしそれでも、この誰かと繋がりたいという想いは何だ、その繋がりたいという感情こそ、そう、感情だと知れ。どこからともなく湧き上がってくる感情を、そのまま、生のまま、じっと観察する。繋がりたいがイヤだ、それは疑いか恐れか、自我同一性の拡散か、意味がないと嘆く権利が自分にはあるのか、とやはり思考の深みにはまる。

ペイル・ブルー・ドット、地球は孤独か、その地球上にひしめき合う「君たちはどう生きるか」って?、理性の理想が紡ぎだした何かを、20世紀の実験で失敗した何かを今更引っ張り出してどうする、「意味」は燦然と輝く真理として誰か偉い人が知ってるわけじゃない、この百年の教訓をまだ学ばないか、孤独の真の意味を知れ...痴れ者よ...

孤独からは逃れられない、それが孤独の概念だから、人が創り上げた概念だから、孤独であることを嘆くなかれそれは、人として生まれたことを嘆くのと同義、そこに意味はない、孤独を孤独として受け入れられないことを嘆くべし。

5.エピローグとしてのモノローグ
人は人である限り孤独、それが人が人である定義のひとつ、問題はなぜ、人自身のあり方が、本来のそのあり方がそのまま孤独という一種の哀しみを苦しみを生むの?、孤独が人を人として成り立たせるひとつの必要条件ならなぜ、その状態に快の感情をなぜ、人は抱かないの?。

人が、繋がりを絆を求めるのはなぜ?、「おもてなし」に喜びを感じ感動し、当然のようにそれが素晴らしいこととして喧伝されるのはなぜ?。それはね、それは人が一人では生きられないから、一人ぼっちの孤独に喜びを感じる形質の遺伝子は、20万年を生き抜くことができなかった。それが人が、社会的動物だって意味。

それほど人は、一人になることを恐れる、それは即、死を意味する。だから今でも本能が孤独に警報を鳴らす、一人ではとても生に立ち向かえないと、だって、感情は生きるためのセンサー、理性だって同んなじ。

6.エピローグとしてのモノローグ(続)
現代社会は、グローバル化の名の下に平準化する21世紀は、価値や意味は絶対的に相対的なものとなり、あらゆるものが、人自身をも含めて、相対的に他人に評価され、自身も相対的評価を他に下す、そして、その価値の分布は、相対的である以上、正規分布を取るはず、あらゆるところにある格差は原理上、縮まりようがない。

しかしその反面、現代社会は、一人でいることをも許す社会、一人でも生きていける社会、ある意味、人に優しい社会、やっと、孤独が正の価値を持ち始めた社会、きっと22世紀には、孤独が切なさややるせなさとともに、基本的人権を凌ぐ価値となり、「孤独であること」と「一人でいること」が究極の快、「自己超越」の欲求となる。

7.エピローグとしてのモノローグ(続々)
人は「思考」を手に入れ「問題意識」を意識する時、未来と過去を概念化し孤独を知る。その孤独の暗黒の深淵を覗き見た初期の時代を統べる先駆者は、その圧倒的な虚無に圧倒的に圧倒され、神という概念とともに封印した。

そして未来、「新しい疎外」の時代を迎える。過去、少数の者が孤独の正体を知り、その自己破壊的なエネルギーを畏れ封印し、自らは神に仕える身という物語で世界を創生したが、その来たるべき世界を創生する物語は何?。

-♪Wish I knew what you were looking for-
-♪Might have known what you would find-
-♪Under the Milky Way tonight-





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