コラム:週刊モンモントーク
[69]"Make America great again!"を批判的に考察する
1.
人は生死に関わる危機に陥った時、本能的に助け合おうとする。徹底的に考え手を尽くし、たった一人の人間でも何とか救えないかと奔走する。が、手を差し伸べるのは、自らの集団を構成する同胞と認める仲間だけ...。
そして、その集団にとっては、"Failure is not an option."、たとえ、ある個人を犠牲にしてもきっと集団を守る、DNAに組み込まれた本能が働く、最後は集団を優先する利他主義という"美徳"が働く。個人の生存と属する集団の生存との微妙なバランス、目的は種の保存、君は"愛する"人のためになら死ねるはず...。
ただ、現代社会の諸問題は基本的に、問題にされた時問題になる問題、日々、社会や国家を、地域を"より良く"しようと言う問題意識から来る問題提起、それは直接は、生死に関わる問題ではないことが多い、先進国では特に。だから、問題が必要以上に複雑化する。その事自体がまた、問題になる。
2.
なぜ、あれ程にアメリカに憧れたの?、「全米が泣いた」ってキャッチコピーがなぜ、日本にはあるの?、♪高いFence こえて見た A-a・merica〜a- に求めても触れられそうで触れられない何かを感じるのはなぜ?。
アメリカが偉大だったことって本当はあるの?。独立戦争のきっかけは "No Taxation Without Representation" という宗主国イギリスへの不満、"Manifest Destiny" による拡張主義はもちろん、米国戦争史上最大の犠牲者を出した南北戦争でさえ、そのきっかけは経済的利害の対立、第一次世界大戦もそう、国益と利権の防衛と獲得。
第二次大戦の原因はやや複雑だが、その結果は共産主義の伸張。交戦国の悲惨な戦禍を目の当たりにし、戦勝国連合の国連は特にアメリカは、その非人道性を直視できず、自由と民主主義を守る盟主として自ら振る舞い、「正義の戦争」という崇高な概念の完成、共産主義国家ソ連と組んだことの矛盾には気づかない...フリ。
3.
ただやはり、独立宣言に込められた理想は、自由と平等・民主主義の下での自由経済という理想は、キレい事かも知れないが確かに生き続けてる、いや、キレい事という「神話」が共有されてるからこそ誇りが生まれ、国家が文化が存続する。国家の成り立ちの礎は脈々と生き続け、それがある限りその国は不死鳥のごとく再生できる。
アメリカの理念は、Mr. President ジョージ・ワシントンが2期8年で大統領の職を辞したことに、そして、王就任の要請を断ったと伝えられることに、あるいは、100ドル紙幣に描かれてるベンジャミン・フランクリンが、建国の父の中で唯一だったとは言え、奴隷制廃止論者だったことに、すでに表れていた。
自由の意味を、平等の意味を探り、アメリカは何かを求めて悶える、真面目に?、愚直に?、傲慢に?、その振り子を大きく、右に左に、内に外に大きく振らせ、これからも悶え続けるアメリカの運命、それがアメリカの偉大さなの?。
4.
ネイティヴアメリカン(インディアンって呼んだほうがいいの?)には申し訳ないが(では済まないが)、アメリカは、人工的な意図を持って作られた人工国家、あの崩壊した共産主義国家ソ連と根は同じ兄弟国家、理性に基づき建国し運営する、というより、感情を理性で理論武装した、突き上げる人の感情が作り上げた人工国家。
だから、そのナンか変だって違和感を放置しない、その感情が行動の源泉、異文化がぶつかり合うところ必ず生まれる違和感、ナンか違うって感覚、そして、そのナンか変って感情を理論武装して社会変革を目指すのが革新、つまり、アメリカは「自由」に重きを置いた革新国家。「平等」の追求(したの?)が共産主義という革新、の対称国家。
願わくは、これからも「自由」に軸足を置いた国でいてほしい。リベラルって本当は"liberal"でしょ?、結果の平等より機会の均等(平等)に気を配り、自由に価値がなくなるその瞬間まで自由を追求してほしい、神の名の下で...。
5.エピローグとしてのモノローグ
"Make America great again!" って、greatだったハズのアメリカを取り戻したいってスローガン、それぞれが持つ、「ハズ」のアメリカを、つまりそれは、理想のアメリカを、アメリカの理想を、自ら追求したいって欲求、どんなにもっともらしく理屈を並べてもそれは、子供が遊びの場で使う言葉と根は同根、"It's not fair. It's my turn!" って...。
-♪赤いキャンディ 包んでくれたのは 古い Newspaper-
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