コラム:週刊モンモントーク
[77]
緊急上梓:若者 よ!−死
ぬんじゃない−
1.Metaphysical
Nihilism - 形而上学的ニヒリズム-
哀しみの涙を流して、悔しさの涙を流して、やるせなさの涙を流して、存
在それ自体を世界の存在までも呪って、世界の始まりを憎み世界の終わりを願い、何にもない世界に思いを馳せ、いつの間にか思考の高みに駆け上
がる。その涙は存在自体が孕む矛盾の涙で、気づいてか気づかずか、人はそれを哲学の涙という。
だから、死ぬんじゃない!、悩むんじゃな い、考えろ!、Why? と問うな、How? と問え!。Why(なぜ)? に答えはなく、もっともらしい答えは、その時その場所だけで了解される共通事項、価値観、だから、それ自体に疑問を持った時、その「なぜ?」に解はない、疑問を持った瞬 間、世界は色褪せ意味を失い、その時意味は、自分で創造するしかない。
でも今ココロにそんな余裕がないのなら、
とにかく今は How? と問い続けろ!、どんな過去で、現在で、そして、未来で、そう、
2.Ontological
Nihilism - 存在論的ニヒリズム -
意味がないと嘆き、なぜ私だけがと嘆き、誰も分かってくれないと嘆き、でも、その涙は誰にも見せず健気に、誰にも心配はかけまいと気丈に、振
る舞ってるけどやはり、目的も意義も意味もないという確信の涙が人知れず頬を伝う。でも、その涙もまた哲学の涙、人としての思考が最高に澄み
渡ったその瞬間の涙...。
だから、死ぬんじゃない!、考えろ!、 Why? と問うな、How? と問え!。人の生に本質的な意味はない、君と同じ結論に先人も達した、問題は、意 味って何なんだってこと、いつだって人はなぜ、体験に人生に世界に心から、意味を求める存在なのかってこと、そして、その「な ぜ?」になぜ、答えはないのかってこと。
でも今ココロにそんな余裕がないのなら、
とにかく今は How? と問え!、どのように理不尽で不合理で、どのように不条理で無意味で、そしてそれを見つめ考え、
3.Existential
Crisis - 実存の危機 -
一天にわかに掻き曇り黒い雲と時ならぬ稲妻と雷鳴、辺りは夜が来たかのようで激しい雨が真っ黒なアスファルトを叩き続けるなら、あるいは、突
然太陽が欠け始め徐々に暗闇が訪れその瞬間、星々が輝きを取り戻し、それが数分間続くならば、あるいは、
希 望と絶望の境界はどこで、境界線の向こうには何が広がる?、認識の質そのものの変革を迫り、その知らなかった何かが新たな知とし て概念化されるならやはりそこも、見知った世界になる、だから、死ぬんじゃない!、生きろ!...。
知ってるだろ?、その車軸のような夕立が すぎれば真っ赤な夕焼け明日は晴れるって、日食はただの自然現象で欠けた太陽はすぐに輝きを取り戻すって、でも、「もし星々が千年に一夜のみ姿を現すなら」それを、新たな知となすのは思 考、考えることこそが、想像から新たな創造を生み出すのだから、だから考えろ!...。
現実への疑問や不満、「不条理」への怒りは、調和と正義を歪め美を損なう何ものかに対する怒り。実はそれは、人だけが持つ特 権、人だけが経験する苦悩、悶々とする。(モンモントーク[9]) |
4.
エピローグとしての
それでもいくというのならお願いだ、少し待ってくれないか、「カラマーゾフの兄
弟」を読み終えるまで読破するまで...、それでもゆくというのなら...「カラ兄」を一緒に読んでみないか、一緒に読んでくれ
ないか...少しだけ一緒に...
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