作文・小論文−入学・編入試験対策、さらに超えてその先へ

コラム:週刊モンモントーク

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[49] 神秘体験の正体

1.夢(Dreaming a Dream)
「夢を...夢を見ていました。何だかとても長い夢を...」で始まる作品って何だっけと話題になってた。漱石の「夢十夜」のこと?とか、シェークスピアの「真夏の夜の夢」?って聞いて「夏の夜の夢」だよって直されてたり、三島の「豊饒の海」だよってのはスルーで、アニメだよってなって、でも"夢オチ"ってやだねって、まったく違う話題になってた。

でも、いるよね、「懐疑論」の出来損ないのようなこと言う人、この現実も夢かも知れないよって、夢と現実の違いって何?って、だって、まるで現実のようなリアルな夢、見ることあるでしょ、とか、ちょっと頭、弱いよね。普通に考えれば分かるでしょ、この現実が夢じゃないってことくらい、夜見る夢がただの夢だってことくらい...、普通にね。

でも、夢って不思議なもの神秘的なもの、でも、神秘体験とは言わない、誰もが体験できるものだから。昔の人は、あの人が自分に恋焦がれてるから、その人が自分の夢に出てくるって思ってた、そうだったらいいのにね。

2.多重夢(Dreaming a Dream within a Dream)
眠ってる時の夢と起きてる時の夢を比べたら、眠ってる時の夢が数倍、素敵だ。でももし、この現実と呼ばれるモノが夢ならば、あの夢と呼ばれるモノは何?、そう、眠ってる時のあの夢が本当は現実で、起きてる時のこの現実が、本当は夢の夢ならそのほうが、数百倍、素敵だ、さあ...夢の中で夢を見て...その中でも夢を見て...

眠ってる時の夢と起きてる時の夢がその夢の中で干渉し回折し、夢が現実になり、現実が夢になるならそれは、数万倍、素敵だ。でもその時、「素敵」という言葉は、その意味を失う、その時、「素敵」という言葉は、対立項を失い存在意義を失い、言葉の網の目からこぼれ落ち、ただの音声の連なりになる-ス-テ-キ-ツ-テ-キ-tsu-tu-k-でも...

「素敵」という言葉が存在しない世界って本当に素敵な世界なのかな。......“夢の中へ”と 誘われては、誘ってはみたけどついぞ、夢の中へは行けず、-露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことも 夢のまた夢-...

3.明晰夢(Lucid Dreaming)
夢の中で夢を見て、目覚めたと思ったら違う夢の中だったって、ちょっと怖いよね。でも、多重夢を見たなら、夢から目覚め"現実"だと思ったその夢を、これは夢だって意識できるようになるまでもうすぐ。夢の中で、夢だとも現実だとも確信できない夢は、って言うか、夢の中で「これって夢?」って自問できない夢はただの夢、皆が見る普通の夢。

それが夢と現実の違い。現実世界では「これって夢?」っていつでも問うことができる、と言うか、「夢であってくれ」って思うことすら、ある!。でも、夢の中でこれは夢だと確信できた時、100%観念論の世界が始まる、そう、まさしく世界の始まり、始めに言葉ありき、ならぬ、始めに確信ありき、夢の中で「これって夢?」、が魔法発動の呪文。

妖精王オベロンも真っ青の唯我独尊の世界の出現、その時、人は「善」なる存在でいられるのか、まさしく、思考は現実化する、それを妨げるものは何もない、すべては精神世界での出来事、って、それって出・来・事?。

4.体外離脱(Out of Body Experience)
夢の中で夢が叶っても、それは夢。でも、明晰夢を見たなら、魂が肉体を離れていく感覚を経験するまでもうすぐ。そう、それは経験、さあ、いよいよ神秘体験に突入!、その寝入り端のまどろみ、あるいは、ステージ4の深いノンレム睡眠から浮上したレム睡眠時、身体は寝ているが脳は活発に活動、瞬間、フッと気づけば抜けてる、何?っこれって。

とても夢だとは思えない、離脱って言っても身体感覚を伴ったリアルな現実感覚、抜け出てきた自分の身体が目の前に横たわってるのだけがちょっと不思議、もちろん、夢の一種で脳内現象に違いない、そんなこと理性では分かってる、でも、感情が現実だと叫んでる、真実って何!?。臨死体験もその延長?、世にも奇妙な物語、いや、体験。

♪さあ〜無邪気な夢のはずむ素敵な時代へ〜じゃないけど、タイムマシンなんか要らない、それはもう、確信としか呼べない現実、脳が確信する確信の構造、文字通り、魂が彷徨う感覚、どうなってんの?。

5.神秘体験(Mystical Experience)
脳は、ストーリーを作らずにはいられない、それが何かを信じるってこと、ちょっとした思い込みから重大な記憶違いまで、すべてそれ。集団になっても変わらない、神話は真実となり現実を規定する。生きることそれ自体に伴う圧倒的な不安から逃れたいという感情が、世界はこうなんだよ、だから安心しな、っていう物語を求め続ける、脳の性。

その究極の形が宗教、いや、それを宗教と名づけた。脳内刺激の連鎖が最高まで高まった状態、脳の機能の極限化、その時、奇跡が起こる、たった一人で受ける神の啓示、集団が経験する奇跡体験、たぶん嘘は言ってない、証明は無理、が、疑うには余りにもありありとした現実感、観念論の世界に広がる物質的限界のない神秘的な体験。

でも結局は、この世に生まれ生きてるってこと自体が神秘、それ自体が神秘体験。世界は驚きに満ち、常に新しい側面を見せて立ち上がる、だって世界の認識は自身の概念の構造、だから本来、美しさと優しさで満ちてる?。そう、この現実が一番の神秘、なんか陳腐な結論になっちゃったかな。でも、「これって夢?」?...♪トァララタァウ−タ−ッ...

♪夢でもし逢えたら 素敵なことね あなたに逢えるまで 眠り続けたい...





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