コラム:週刊モンモントーク
[22] 結局、「結論」は決まってる?−Ⅰ− たとえば「情報化社会」
1.そんなの言われなくてもわかってる!?
「環境」は保護すべき、「格差」はなくさなきゃ、「戦争」は反対、核兵器のない世界に、「異文化」は尊重、「思いやり」は大切、「話し合い」で決めよう、「教育」は「平等」に、誰もが「自由」に生き生きと、心身ともに健康で、困ってる人や国を助けよう、そんなの言われなくてもわかってる。「基本的人権の尊重」と、その前提、「環境の保全」、でしょっ!!。
そう、わかりきってる、何を今さら、大上段に。 何でも聞いてくれ、ほぼ、すべての問題の「結論」は決まってる!?。では、なぜ、「ほぼすべての問題」が解決できない?、それは、そのためのリソース‐ヒト・モノ・カネ‐の決定的な不足。ほぼすべては、経済的問題、だから、政治とは、徴税と予算の配分、そして、争いは続く。それを、政治という。
が、警告、その分かりきってる「結論」は、「近代」が生んだ思想、考え方、価値観。 近代的自我が理性を駆使した、その結果。 「問題」は問題とされた時初めて「問題」となる。 時代が、場所が変われば、「問題」は問題でなくなる。
2.たとえば、「情報化社会」
たとえば、「情報化社会」、技術の進歩を押しとどめることはできない。その中で生きていく、それが21世紀。人工知能の発達による、技術的特異点の到来も、もし、ではなく、いつ、どうやって、が問題の核心。後戻りはできない。人はそんなふうに出来ている。一度知ってしまったら、知らなかった過去へは、二度と戻れない。
結論は決まってる。ネット社会の功罪を押さえ、罪を最小限に、あるいは、罪を功にに変え、人々の幸福のために最大限にそれを生かす。禍福はあざなえる縄のごとし。幸福とは何か、自由と平等、そして、それを担保する、環境。
3.たとえば、「情報化社会」―小論文―
(1) まずは:ブレスト
「一般論」: ネット社会、様々な功罪
「主張」: 情報リテラシーの重要性 → より「自由で平等」な社会
「経験・見聞」: ミレニアル世代、SNS、「仲間主義」
「知識」: 情報過多、情報格差、情報の信頼性、フィッシング詐欺、個人情報の流出、プライバシーの侵害
「想定反論」: ネットの規制、 AIの反逆
「切り返し」: 功を最大限に、罪を最小限に ← そのための情報リテラシー
「決めフレ」: 技術は道具
「結論」: 受信、発信、両方の情報リテラシー → より「自由」な個人
(2) そして:小論文
情報化社会を生きる
情報化社会では、大量の情報が瞬時に多くの人に伝わり、その結果様々な功罪が生まれている。しかし、かつてのアナログ社会に戻ることができない以上、この社会を生き抜く上で最も重要なことは、情報リテラシーをいかにつけるかということだ。
ネット社会は個人による情報の収集や発信を容易にし、SNSと呼ばれる新たなコミュニケーション手段の出現が、よりスムーズな人間関係を可能にしている。私達はミレニアル世代と呼ばれ、ネットによってつながるコニュニティを大切にし、個人主義の国アメリカにあって、「仲間主義」の世代と呼ばれている。寄付の呼びかけや選挙時の情報の共有でも大きな役割を、ネットは果たしている。人々はより自由になった。
その反面、情報過多や情報格差、情報の信頼性、フィッシング詐欺などの危険性、そして、個人情報の流出によるプライバシーの侵害などが指摘されている。実際、アメリカでも、大きな小売店からのクレジット情報の流出が相次いで起こった。また、学生のレポート作成時の剽窃も大きな問題となっており、そのために落第や退学になることもある。
いわば功罪相半ばするという状況であるが、これはすべての科学技術に当てはまり、ネット社会を否定する理由にはならない。問題は、功罪それぞれの可能性がほぼ無限であるということであり、特に罪過の可能性をいかに最小限に抑えるかだ。そのためには、大量の情報の中から情報の真偽を判断し評価し、必要に応じて探し出し活用する能力、情報リテラシー能力の向上が必要だ。
情報リテラシーは、情報活用能力だけではなく、情報発信能力もそれに含まれる。何をいつどう伝えていくかだ。科学技術は道具に過ぎない。ネット社会の出現という革命的な出来事の中で、細心の注意を図りながらも必要以上に恐れることなく、自己の可能性を追求していくべきだ。自由とは可能性を追求することなのだから。
(783字)
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