作文・小論文−入学・編入試験対策、さらに超えてその先へ

コラム:週刊モンモントーク

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[50]「志望理由書」の書き方-哲学編-

1.「物語」の物語
例えば「いい大学に入りたい」、なぜ?、「いい企業に就職したいから」、なぜ?、「いい生活がしたいから」、なぜ?、「えっ?、それは、"いい"から」、じゃ、"いい〜"って何?、「"いい"って"いい"でしょ」、と玉ねぎを剥いていったら、残ったのは、空っぽの空虚。もともと意味のないところに意味はないという当たり前の物語。何にも考えてない人の物語。

「いい大学に入っていい企業に就職する」という、本音ベースでは一般的にずっとあった物語の喪失、「勉強する」側(子供達)は、早々にそれに本能的な嫌悪感を示し、大人達もやっとその意味の喪失を認めざるを得ず、「なぜ勉強しなきゃいけないの?」という、確信犯的な子供の質問に答えられない。そう、普遍的な物語は、もう...ない...んだ。

だから、自分だけの物語を語るんだ。物語の主人公はいつでも最強、すべての出来事が自分を中心に回り、ハラハラドキドキ、すべてが意味を持って立ち上がる、それはひとつの創造、だって、たったひとつの自分だけの物語。

2.「物語」と「物語」
そして、大学でも企業でもそれぞれの物語を持ってる、それが、学風とか企業文化とか言われる特徴に繋がる。そう、国が文化がそれぞれの物語を持ってるのと同じ。そして、その中の人達がそれぞれの物語の中を生きてる。集団や組織の物語と個人の物語、それぞれが絡みつき影響し構造をなし、綾を織りなし日々微妙に変化する。

そして、その物語達の物語の中へ新しく加わりたい時、「特に理由はありません」って、最初からお呼びじゃないよね。必ず、君の物語は何?と聞かれる。自分の紡いできた物語と相手の物語との運命的な出会い、必ず理由があるはず、物語の中に物語るんだ。偶然の出会いだとしても必然、意気投合とはまさにそのこと、物語はそれほど大切。

だから、「物語」を見失った時、組織も個人もその存在意義を失う、組織は腐敗し存続だけが目的のような硬直性を帯び、個人はただ日々の糧を求めるだけの惰性の中で疎外感を感じ、それぞれが意味を失い、漂流する。

3.「物語」は物語
でも、「物語」は物語、たかが物語、されど物語、人として生まれた以上、物語なしでは生きられない。そして、普遍的な物語が輝きを失った今、その時その場所で「なるほど、そうなんだ」という共感を得られる物語が一瞬、普遍性を持って受け入れられる。その特別な特殊性が、その瞬間の普遍性、それが21世紀を生きる時の物語。

「それって意味あるの」って聞かれるか、「それ面白いね」って共感を得るか、新しい功利主義の時代。人として生きる以上、物語=意味を求めずにはいられない。人はそう出来ている。自分の生に意味を感じられないとすれば、それは、「絶望」か「鈍感」、前者は実存の危機、が、後者はある意味幸せなのかも?。「考えろ!」、ほらね、意味の物語。

飽食の時代、ニヒリズムを気取ってみるのもいい。でも、生に意味を見つけた時、そう錯覚?した時、物語は徐々に輝きを増し、真実が真理が真の出会いが求めていたものが立ち現われる、が、それもやっぱり「物語」という物語。





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