作文・小論文−入学・編入試験対策、さらに超えてその先へ

コラム:週刊モンモントーク

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[20] 日本は集団主義で米国は個人主義、は本当?

1.「個人主義」のアメリカ人?
モンモン: せんせー、アメリカ人は個人主義って話だけど、何か違う気がするんだけど、最近。 アメリカ人って優しくって、すごく気遣いがあるって言うかァ...。

先生: どういうところで、そう思うかな?。

モンモン: 何て言うか、目を見てにっこり笑ったり、Hi!って挨拶し合ったり、ドアを後ろの人のために押さえたり、話し合うときも、刺が残らないように話を進めたり、それに、誕生日やなんかで贈り物やカード、するでしょ?。気さくって言うか、そう、フレンドリー?、みんな、家族やコミュニティーを大切にしてるし、集団の「和」を大切にしてるの?...結局?。

先生: ほーっ、それはそれは、かなりアメリカ人への評価が高いな。最初からそうだったかい?。

モンモン: 最初は慣れなかったっていうか、ちょっと冷たい社会かなっと。でも、一人、なぜか、私のことを気にかけてくれる子がいて、その子のおかげで積極的になれて、そしたら、ちょっと楽しくなってきたかなって。

先生: なるほど、しかし、「個人主義」の人が、優しかったりフレンドリーだったりすると変かな?。 逆に考えられないかな?。「個人主義」だからこそ、そうなのだと、「利己的」との大きな違いだな。

モンモン: えっ?、「個人主義」だからこそ...っ、アメリカ的気遣いがあって、家族や社会を大切にして、政治の話が好きでって?。そっか、自分が生きるために、一人じゃ生きられないって知ってるから、そうするんだ。じゃあ、どうして、そういうのは「集団主義」って言わないんだろ。集団が大切ってのは同じなのに!?。

先生: 教会を中心とするコミュニティーの存在も大きいよ、集団としては。 ところで、さっき、集団の「和」と言っていたが、それって、日本的な意味かい?。

モンモン:うーん?、やっぱり「和」...じゃない、なんか違う。家族や社会や国を大切にするは、自分のため?、それぞれの個人のため?、やっぱり「個人主義」なの、結局...?。

先生:それと、もうひとつ、最初、アメリカ社会が冷たいと思ったと言っていたね、どういうことだい?。

モンモン:こっちから話しかけないとそのままでズーッといるみたいな、一人でいるのが好きなのかなって思われて。でもそれって意地悪じゃなくって、そうゆう文化だってわかって、ちょっとホッとした...、そっとしておこう、みたいな。

先生:そう、「文化」だ。すべて、コインの表と裏だ。ある価値観の表出なんだ。その価値観とは...?。

モンモン:「自由」かな?、自由に価値を置くから、個人が大切で、個人の集まりの社会が大切で、自分って個人が大切だから、あの人って個人も大切で。「自由」を求めて集まって来て、「自由の国アメリカ」って呼ばれ、時には行き過ぎもあったし、あるけど、それでも何とか、その価値観の下に生きようって、それが「個人主義」ってこと、結局...!?。

2.「集団主義」の日本人?
モンモン: じゃあ、日本人も、やっぱり「集団主義」なの?、結局は!?。 さっきみたいに考えてたら、日本人って「個人主義」だなあって思い当たったんだけど。

先生: たとえば?。

モンモン: まず、自分のお箸やお茶碗があるでしょ、そして、my car,,my home, my boom, とか、すぐに my ってつけるでしょ。あと、ギャグが滑るんだよね、日本。 アメリカだと、この人は何かジョークを言おうとしてるんだってわかったら、笑ってくれるんだ。映画館なんかでもそう、日本だと、個人個人がシーンとして見てるけど、アメリカだと、みんなで思いっ切り笑ったり、喜んだりしてる。

先生: なるほど。ちなみに、my 何とかってほぼ全部、和製英語だから注意するんだよ。で、たとえば、そのジョークだけど、もうわかるかな?。

モンモン: あー、アメリカンジョーク?、個人と個人の潤滑油ってこと?、個人と個人のぶつかり合いをソフトにしようって。日本では、本来、必要ないってこと?、「和」を大切にするから。しっかりと安定した集団がまずあって、その中で個人が生きてきた。だから、少しくらいわがままでも、社会に甘えても許されてきた。

先生: そうだ、均一の文化で、価値観もほぼ同一でないと無理な社会制度、というか、文化だな。

モンモン:今の、日本の息苦しさはそれだね、価値観が多様化しているのに、文化はそう簡単には変われないって。意見をしなきゃいけない時に、やっぱり言えないって。「集団」があってこその「個人」という伝統だね。

先生:しかし、忘れてはいけないのは、日本は、かつて、最も成功した「社会主義国」と言われたことだ、いい意味でね。ほぼすべての国民が中流意識を持つ、平等な社会としてね。

モンモン: うん、全体が安定して発展してる中で、個人が生き生きと活躍できたのかな。そういえば、「Japan as No.1」ってベストセラーも生まれたって聞いた。その時が、日本的「集団主義」の黄金時代だったのかな...結局は。

3.「自由」と「平等」−再び
アメリカが「自由の国」なら、日本は「平等の国」だろうか。いや、ちょっと違う、実態が伴っていないって意味じゃない。アメリカだって、国民全員が真に「自由」だったことはないし、これからもないだろう。しかし、少なくともその価値観のもとに建国されたことは確かだ。苦しみながらも「自由」を普遍的に追求してきたと言ってよい。

日本は「平等」を理念として建国されたわけではない。まずその前に、日本は「建国」されたのではない。自然にできた自然国家がずっと続いている、世界でも珍しい国。そして、「自由」や「平等」は、西洋の概念。 概念は文化や価値観の上に成り立つ。その意味は、微妙にずれているはず。

「自由」と「平等」、その西洋的概念とは全く関係なく、日本文化は形作られた。が、その概念が輸入された時、全く同じではないが、これ知ってるという既視感を感じた?、日本文化の価値観の中に、同様な何かを見た?。

4.エピローグとしてのダイアローグ
モンモン: せんせー、やっぱり、日本は「集団主義」で、アメリカは「個人主義」ってことになるの?...結局...。 何か、違うんだよね。うまく言えないけど、そう言ってしまっていいの?、みたいな。

先生:その違和感の正体は、たぶん、3つあるな。まずは議論の前提として、どこまで一般化していいのかという話、一般化しないと、議論は始まらないのだが、それはステレオタイプなのではないかと。

モンモン: 2つ目はあれでしょ、日本文化とアメリカ文化って並べていいのって。特にアメリカは移民の国、人工国家で他の国とそのまま比べられるのかって。

先生:そうだ、そして、最後は、「集団」「個人」「自由」「平等」が、西洋で作られた概念だということ。でも、話しあったり、学問をするってそういうことなんだ。概念を整理しながら、それを元に新しい概念を積み上げていくんだ。

モンモン: うん、目的は議論をすることじゃない、議論のための議論は要らない、反対のための反対も要らない。問題は、議論を積み上げた先に何があるかなんだ...結局は!。





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