作文・小論文−入学・編入試験対策、さらに超えてその先へ

コラム:週刊モンモントーク

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[52] 「バナナはおやつに入りますか?」を批判的に考察する

1.「バナナ」の魅力
バナナって不思議な果物、高級バナナも最近はあるけどその銘柄が有名でもなく、低価格のは普通にありふれてて、リンゴやイチゴと違って朝市やデパ地下で試食を出してることもなく、たたき売りって言われるのはバナナだけで、特に食べたいとも思わないけど、なぜか誰かが買ってて、気がつけば食べてる、(何なの、あれって)。

お店でも果物コーナーの入り口を占めていて特別な棚を用意してもらったり、他の果物では絶対ないのに、青い(本当は緑です!)まま売りに出されて、お家で黄色になるの待ってねとか、黄色から黒っぽくなる瞬間の腐りかけ寸前(完熟バナナっての?)が,免疫活性作用抜群だよってドヤ顔のオヤジが頬張ってる、(何なの、それって)。

でも、クレープはやっぱり、バナナかな!?、シナモン香るバナナシナモンクレープとか、チョコバナナクレープもいいよね、でも、チョコとくれば、底にもバナナのMINISTOPのチョコバナナパフェが最高かな、(何なの、これって)。

2.「おやつ」の魅力
だから、午後3時のおやつに呼ばれていって、リンゴやイチゴやスイカやメロン(or プリン?)のように、お皿の上にバナナが載ってることってまず、ない。まるまる一本を、ハイってお皿に載せられても困るし、かと言って、一口サイズに切って出されたところも見たことない。やっぱり、バナナはおやつに入らない!?、(何なの、あれって)。

リンゴやイチゴやスイカやメロン(or ゼリー?)って、何か華やかだよね、色といい、見た目といい、並び方といい。それが、昼下がりの午後の、気だるい、というわけではないんだけど、何て言うか、今日も半分が過ぎ、あと半分だなあ的な感慨と相まって、時のエアポケットにポカっと嵌まり込んだような心地のよい時間、(何なの、それって)。

おやつにはワクワク感がある、何だろう、お昼の軽食のランチと、夜の夕食のディナーに挟まれた、日常なんだけど、非日常を演出するかのような、そう、やっぱり華やぎとしか形容のしようのない小さな至福感、(何なの、これって)。

3.「遠足」の魅力
おやつは300円までだよって、すると、「消費税は入りますか?」「水筒の中のポカリはどうですか?」って、聞かなきゃいいのに、言わなきゃいいのに、黙ってりゃいいのに、そして誰かが、「バナナはおやつに入りますか?」って、その瞬間の微妙な空気、その質問が出たことにホッとする気持ちとファッと反発する気持ち、(何なの、あれって)。

普段は結界を張られ自由に踏み越えられない境界、「遠足」とはその結界を破る行い、それも集団で整然と、目指す理想の時空を求めて旅立つ、「出エジプト」の追体験?、「ヤマト発進」?、そのワクワク感、そのクライマックスが修学旅行。新しい秩序・戒律・禁忌・タブーの出現、曖昧さを許さない物語(神話)の要請・創造、(何なの、それって)。

だからあの「雨天中止」の絶望感、外は雨音、逆さまのてるてる坊主が風に回る。おやつの時間なのにいつもの華やぎは消え、すべてが色褪せたモノクロの自宅で、296円分のおやつをひとり食べる味気なさ、(何なの、これって)。

4.「非日常」の魅力
晴れやかな晴れの日の晴れ舞台って、何かが始まる予感、日常の中に訪れる予告された非日常、褻(ケ)から晴れ(ハレ)へ。例えば、お祭りという古来の顕在的文化、それは予定調和のハメ外し、一夜限りのものと分かってる、が、境界の向こうへとギリギリの勇気を競う、「出アフリカ」の追体験?、一種の憧れ、(何なの、あれって)。

そうまさしく、自由への憧れ、その輝き、皆で列をなし未知の世界へと誘う、ワッショイ ワッショイ、老若男女、時空を超え何がそこまで駆り立てるの?。その時、普段は気にも留めないものまでが、新鮮な新しさを持って意味を求めて迫ってくる、何か意味を物語を与えずにはいられない、新たな価値の浮上、バナナはその象徴?、(何なの、それって)。

そして、クライマックスからの終息、日常への回帰、皆知ってる、完全な自由は秩序を壊す、だから年に数度、了解の上でギリギリの自由を満喫する。さよなら三角また来て四角、おもしろうて やがて悲しき...、(何なの、これって)。

5.「日本」の魅力
日本の学校の魅力は、あの心地よい集団主義、当然だ、学校は文化の縮図。確かに欧米流個人主義の洗礼を受け様々な矛盾がある、でも、過ぎ去りし蛍雪の日々は母の胸に抱かれるかの安心感、それは自由の許容度と伴う責任という問題、その絶妙のバランスが日本文化の魅力、本当は安心なんてどこにもないのに、(何なの、あれって)。

貴種流離譚という、その安心を捨て旅に出て成長する物語、が、彼の心はいつも心の原風景に舞い戻る、自由って何!?。日本文化に組み込まれたその疑似体験、自分が一瞬特別な存在に思える錯覚、自由は不安と表裏一体、その不安を解消すべく、責任を皆で引き受ける心地よい集団主義、それが日本文化、(何なの、それって)。

円滑な社会を営むために、それぞれの文化がそれぞれの構造を持ち、境界の内と外に境界線を引き概念化する、時には日本でしか問題にならない問題、だから教えて、「バナナはおやつに入りますか!!??」、(何なの、これって)。

6.エピローグとしてのダイアローグ
先生: いやあ、マイッタなあ...何なんだ、あれは!?。

モンモン: せんせー、どうしたの?。

先生: いやあね、「バナナはおやつに入りますか?」ってね、聞かれてね、どう答えたものかと、マイッタなあ...!?。

モンモン: えーっ、何それ、そんなこと聞く子、まだいるんだ。でも、そんなの決まってるよ、おやつの時間に食べれば、お・や・つ、食事の後なら、デ・ザー・ト、でしょ!、結局は!。

先生: ...なるほど...、そりゃそうだな、そう言えば、主食ってわけではないが、焼いたり茹でたりして食べる国が確かにあるな。そうなると立派な食事だ、調理用バナナっていう違う品種らしいが...。

モンモン: へーっ、そうなんだ、文化の違い、価値観の違いだね、結局は!。

先生: ......

-...針の上で天使は何人踊れますか!!??...-





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